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母乳育児推進と医療事故

出産とその後の母子ケアというのは、通常医療の担当領域ではありますが、必ずしも疾病にかかわるわけではないという点で特殊です。
治すべき疾病(ゴール)がはっきりとしないせいか、どうも精神論チックに流れる傾向があるようにみえてなりません。これが出産・新生児ケアが過度に医療化しすぎたことの反動といっしょくたになっている、結構厄介な分野だと思います。
26日、誤った母子ケアによって子どもが障害を負わされたとして、親が「完全母乳育児」を推進する医療機関九州医療センター)を提訴。同日福岡で、カンガルーケアや完全母乳育児を推進する医療機関のために被害を受けたとする患者・家族の会も結成されたそうです。
・朝日11/26
http://www.asahi.com/national/update/1126/SEB201111260023.html
・産経11/27
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111127/fkk11112702050002-n1.htm
完全母乳育児推進サイトなどでは「WHOが母乳育児を推進している」とよく言及されますが、これは安全な水や良質のミルクが得られない発展途上国についての話が流用されている部分がありそうですので、ちょっと説得力に欠けます。
そこで「よい母子・家族関係の構築」に効果があるということも同時にうたわれます。
しかしその真偽を確かめる調査はものすごく困難そうです。特に「よい家族関係」の操作的定義が。考えるだけで気が遠くなります。
・「日本母乳の会」
http://www.bonyu.or.jp/index.asp