書いては書き直し

はてなダイアリーから引っ越してきましたがまだ整理中です

TBS戦後70年千の証言スペシャル『私の街も戦場だった』

締切を前にして食い入るように見てしまった。めったに見られないような、丁寧に作られた番組でした。
http://www.tbs.co.jp/sengo70/
ガンカメラで撮影されたのは、今でも地方に行けば見られそうなのどかな日本の街や村の、鮮明なカラー空撮映像。われわれにとって見慣れたその風景が、機銃掃射で次々破壊されていく。銃弾がこちらの身にまで刺さってきそうなリアリティがあります。
番組はこの衝撃に終わらず、銃弾の下で逃げ惑った人々の証言や再現ドラマ、破壊された地域のデータや当時の戦況、撃った米兵への取材へと、視点をぐいぐい広げていきます。実に内容の濃い3時間でした。この作業ぶりと目配りの確かさは、同じ調べる稼業の者として襟を正させられるものがあります。
詳細な内容については、下のブログに素晴らしくまとめられており、もう私には付け加えることはありません。
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20150309/1425910661
戦後70年目を経て、技術的な進歩や公開制度のおかげで情報の公開や整理が飛躍的に進んでいる実感があります。その一方で、当時を生きた人々から話が聞けるのは今が最後のチャンスでしょう。
両者をあわせたこの番組は、今こそすべきことを十二分にやり遂げる仕事だと思いました。


私の故郷は茅ヶ崎なので、米軍の本土上陸計画については学校などでしばしば耳にしてきました(コロネット作戦)。
番組に刺激されてふと調べてみたら、日本側の防衛計画決定のプロセスがこの期に及んでアレだったということを知ってしまった。
http://kousyou.cc/archives/4670
こういう戦時下指導層の思想傾向というのは、今後あらためて、客観的に分析していかねばならないことだなあと思います。